判定
6時30分に息子を起こす。「体調はどう?節々とか喉は痛くない?」
熱は36度後半だか節々が痛く、喉が痛く、咳をゴホゴボと…。
息子曰く「インフルエンザの時の症状だから休みたい」と。
今日はすごく大事な模試の日。
「熱が平熱だけど絶対インフル?」
「絶対」
「じゃあ寝てなさい。お母さん、まずは仕事先とあなたの学校に連絡するから」
2階から1階に降りてくると、娘も一緒に降りて来た。
「お兄ちゃんインフルなの?私もインフルにかかって学校休みたい」と呑気な事を言っている。
息子の言葉を信じて私の仕事先に電話。
「すみません。息子が熱はないけどインフルエンザぽいので病院に行きたいです。休ませて下さい」
「休んで大丈夫だから病院行ってあげて」
「本当にすみません。結果が分かり次第連絡します」
そんなやり取りを娘が隣で聞いていた。
私の仕事先は苺農家。
午前中は収穫、午後は収穫した苺を取引先ごとに仕分ける作業や販売、発送を行なっている。私は苺の収穫と苗の管理、詰め手のサポートや備品の在庫管理などをしている。
いまこれからの時期、1年の中で1番大きくて甘い苺がとれ始め、ギフト用として全国に送られて行く。
初めてみる人は「こんな苺があるの?」とビックリするだろう。
忙しくなり始める時に休む。心苦しい。
「もしインフルエンザだったら、数日休まないといけないんだよ。仕事を舐めるな。自分が休めば誰かが仕事をカバーしなきゃならないんだよ。だから大人はわかっているから無理してでも仕事に行くの。仕事先が違えばこんな状況でも『仕事に来て』って言われるの。うちのところは、家族優先だから『家族の事ゆっくりみてあげて』って言ってくれるありがたいところなんだよ」
「お母さんの切羽詰まった声聞いていたら、うつりたいなんて言ってごめん」と言い支度をしはじめた。
話をしながら、主人の仕事も皆さんがサポートしてくれているんだと。改めて感謝した。
娘が学校に行き、息子の学校に連絡。
しばらくすると息子の担任から電話が。
「大丈夫ですか?…」
いまの息子の状態を説明し、この後11時くらいに病院に行くと話し電話を切る。
10 時半過ぎに息子を起こして病院へ。熱も36度後半。ちゃんと歩ける。
「熱が出てればインフルだって言えるけど、出てないじゃん。本当にインフル?節々痛いの?喉痛いの?今日の模試受けたくなかったんじゃないの?」
そんな話をすると息子が咳き込む。
「インフルに間違いない。俺、去年以外毎年インフルになってるじゃん。絶対そう。」
「あなたをイマイチ信用できないんだよ」
また咳き込む。
「私にかけないで」と隔離室で話しながら順番を待ち、診察室へ。
診察室に入り、鼻をグリグリして数分結果を待つ。
「インフルエンザAですね。熱がないけど来週の火曜日まで学校休んでね」と。
薬をもらい自宅へ。
「お兄ちゃん疑って悪かった。ごめん。何か食べたい物ってある?」と優しく聞くと「肉」と。
「だから肉ってどんな肉?お弁当?サンドイッチ?チキン?…」
「食欲バリバリあるからなんでも食べれる」
近くのコンビニに買いに行き、息子に食事と薬を渡す。スマホをいじっている。
「リレンザだけど出来る?錠剤だけど薬飲める?」
「出来るし、飲めるから置いておいて」
「スマホばかりやってないで薬飲んで寝てよ。何かあったらLINEして。お母さん下にいるから」
「わかった」
息子も16歳。幼稚園児ではない。
さすがに今回は自分の事はやるでしょと思い1階へ。
私の仕事先、同僚、息子の担任などに連絡。
家の片付け、書類整理、洗濯などをしていると娘が。帰ってくるなり、ただいまも言わず「お兄ちゃんどうだった?インフル?」と。
「インフルエンザAで割と元気」
「マジで。いいな〜友達の〇〇もね…」と話した後「やっぱ私もうつって休みたい。できれば定期テストにかぶりたい」
「あんた朝ごめんなさいっていったじゃん。」
「それはそれ、これはこれってやつでね」
「現金なやつだね」
ふたりで笑いながら話した。
数時間おきに息子の部屋を覗く。
「大丈夫?熱は測った?」
「高い時は37度2分、いまは36度4分だった」
「平熱じゃん、節々は痛い?」
「いやだいぶ痛くなくなった」
「油断しないでちゃんと寝なよ」
「はーい」
夜中数回覗いたが寝ていた。
このまま治ってほしい。
主人のは病院には当分行けない。