イカはいかが闘病記

脳出血で倒れたオジサンの闘病記です

3色ゼリー

今日は娘は部活。

朝から冷たい雨が降っている。

寒い。

「送っていこうか?」

「友達と約束しているからいいよ。お兄ちゃんみてあげなよ」と言い学校へ行った。

普段は怖くて生意気な娘だけれど、共感力が高い子なので相手の気持ちに寄り添うことが出来る。娘のいいところだ。

 

息子の部屋に行くと元気そうだ。

「調子はどう?熱は?」

「熱は36度ぴったりだった。お腹空いた」

「何が食べたい?」

「白米とたくあんと目玉焼きかな」

「わかった。持ってくるからくれぐれもスマホばかりやらないで」

「はーい」

元気そうでよかった。

我が家は白米が大好きだ。うちの男性陣は、主人も息子も白米が有れば文句を言わない。炊き込みはふたりには人気がなく私と娘が食べる。

日曜日の朝食に頑張って手作りのパンやパンケーキなど出しても、軽く食べた後「白米食べたい」と言って冷凍ご飯を食べだす2人だった。

 

12時を過ぎた。娘が部活から帰ってくる。

今日の部活の話を面白おかしく話してくれる。話を聞いていると「部活行ったからお腹空いたなぁー」と突然言い出す。

ナポリタンでいい?」

「いいよ」

ナポリタンを作り、娘に出すと「久しぶりだね」と。

日曜日のランチによく作っていた。

4人の食の趣味が違うのでメニュー選びに悩む。主人はあっさり和食系、息子はがっつり肉、娘はパスタ、私はなるべく手間がかからないもの…。

これを作って出せば安全パイだ。みんな文句も言われず食べてくれる。

息子にナポリタンを持って行き「何か食べたい物は?」と聞くと「3色ゼリー」と。

「3色ゼリーはいまストックがないから買いに行かないとだけど、今日は寒いから行きたくないや。みかんゼリーでいい?」

「いいよ」

「じゃあ今から作るから待っていて」

そう言って部屋を出た。

 

3色ゼリーはインフルエンザの時、我が家の定番商品。

よく3個で100円位のゼリーだ。

毎回インフルエンザになると、食欲がなくてもあれだけを食べて数日乗り切る。いつもなんとなく冷蔵庫にストックしてあるが、今回は買って無かった。

缶詰のストックからみかんとパインの缶詰でゼリーを作る。ゼラチンと缶詰と砂糖があれば作るのに10分もかからない。固まるのを待つだけだ。

 

今日の夕飯はシチュー。

煮込みながら今週の出来事を思い出す。

月曜日は義妹と病院に行った事、火曜日に忙しい中友達が家に来てくれた事、水曜日はあまりにも疲れてやりっぱなしのまま寝落ちして夜中に起きたな…

そんな事を考えいたら思い出した。

息子自転車、駅の駐輪場に置きっぱなしだと。

駅の駐輪場は有料。1カ月更新で自転車を停めているのでまだまだ置いていても大丈夫。でも「早いうちに取ってこないと誰かに何かされると心配だから取りに行かないと」と考えていると娘が

「お母さん、私、明日の朝食にじゃがいものガレットが食べたい」

「じゃがいものガレットね…」

じゃがいものガレットも作り方は簡単。

でもじゃがいもの皮をむいて、スライサーでひたすらスリスリしないといけない。正直めんどくさい。

「お母さんのじゃがいものガレットが食べたいの」

娘はホント口が上手い。

「わかったよ。お兄ちゃんにシチューと白米とゼリー置いてくるから食べてて」

2階に行くと元気そうにスマホをみてる。

「元気ならスタディサプリみて勉強したら?」

「まだ治ってないからね」

「じゃあ食べて、薬飲んでしっかり休みなよ」

そういって1階に降りてきた。

 

夜、部屋を覗く。

「熱はどう?」

「35.8度」

「平熱じゃん。さっきお皿下げるとき聞き忘れたけど3色ゼリーとお母さんのゼリーどっちが美味しい?」と聞き終わる前に「もちろんお母さんのゼリーだよ」とかぶせてきた。

「息子よ。よく答えた。その速さ、答え正解だよ」と笑いながら答えた。