イカはいかが闘病記

脳出血で倒れたオジサンの闘病記です

Restart

リハビリ病院を退院して8ヶ月。

 

いよいよ明日2月1日より会社復帰。

 

仕事復帰に向け準備して来た。

 

復帰に向けて何度も会社方々とお話しさせて頂いたり、病院も脳外科やリハビリ病院、歯医者や眼科と通い体調を整えてきた。

倒れる前より10キロ位痩せてしまったので洋服も買い替えたり、前のメガネだと見えにくくなったのでメガネも新調。右足は特に足を曲げにくいので履きやすい靴を探したりとひとつひとつ選び直した。

 

勤務先は今までとは違う場所で所属部署も変わるし、人間関係も新しくなる。

 

今の主人で社会に出て通用するのか。

 

どうなるか先のことはわからない。

でも生きていれば、次の一歩を踏み出せるチャンスが出来る。

 

明日は元気に送り出そう。

 

人間万事塞翁が馬

前回より半年。季節は夏、秋を通り越して冬になり、気がつけば2020年も明日で終わり。
あっという間に過ぎてしまった。


主人は順調に回復してきている。
一瞬、「この人去年倒れて生死を彷徨った人?」と疑いたくなるくらいに。
家事は私と主人で分担し、ちょっとあやしいときもあるけれどやってくれている。
最初のころは「あれの場所はどこだっけ?」
「あれって何?」「ほらあれ。こうするやつ」とジェスチャー付きで説明され「ああ掃除機ね。掃除機はこっち」などと掃除のたびに説明していたのが、今ではひとりできっちり出来る。私が掃除するより綺麗にしてくれている。
新しい事にもチャレンジ。Nintendo Switchであつもりをプレイ出来るように。最初のうちは「これどうすればいい?」「どのボタン押すの?」と何度も何度も聞いていたが、今ではすっかり無人島生活を楽しんでいる。

 


主人曰く「11月上旬に大きなアップデートがかかったみたい。今まではわかっていた事が点と点だったものが線で繋がった」と。

 


確かにかわった。
昔の主人に戻りつつある。

 


会社の方々の強力なサポートもあり、会社復帰に向けても動き出している。
本当にありがたい。

 


私はというと、心と体のバランスが取れずにいた。
主人が退院してから今まで以上に時間や心の余裕がなく、毎日乗り越えていくことで精一杯。
日々の生活、主人の事、息子の体調不良や成績不振、娘の高校受験、家族の事…。

問題が山積みで疲れがドッと出てしまい、色々とあったがよくここまで乗り越えて来れた。

 

気を引き締めなければ。

ひとつひとつ

気がつくと7月に。あっという間に時間が過ぎた。


6月、私の仕事先の苺ハウス内の温度計は40度を超えた日もあった。毎年この時期を経験してるとはいえ、今年は体力的にも精神的にも厳しかった。
私の仕事も先月で一旦終了し、次に仕事に行くのは8月下旬予定なので、休みの間は主人のリハビリにじっくり付き合える。


主人は身の回りの事は思った以上に自分で出来る。


昼間、私達が仕事や学校に行って家にいない間は、モコと留守番をしてくれていた。病院から出された課題(漢字の読み書きや計算問題)や筋トレなどをしていたみたいだ。

パソコンで調べ物や日報の様な日記も書いていた。マウスを操り、文字をタカタカとタッチタイピングで入力。『色んな事は忘れてしまってもここは覚えていたんだな』と。


ひとりで散歩に行き、近所で買い物をしてきていたのでびっくりした事もあった。

倒れる前は全く使っていなかったPayPayも今では使いこなしている。
部屋を片付けたり、食事の後片付けをしてくれたり、洗濯物をしまってくれたりと、私が行うより時間がかかるがきっちりしてくれる。

 


でも彼には確実に障害がある。
高次脳障害。
見た目だけでは判断されにくい。


全く知らない人から見ると、頭の傷も見えなくなるくらいに髪も生え揃えった。
パッと見た感じだと気がつかないが、歩くと「ちょっと違うな」と感じると思う。
左目の半分が見えていない半盲(見えない部分は黒くなり全く見えていないらしい)、右目は見えるけどボヤけていると。だからよく物にぶつかる。


記憶障害もあるので、覚えている事と覚えていない事がゴチャゴチャしている。昔の事は割と覚えいるが、比較的ここ2〜3年の出来事や関わった人の事を忘れている事が多い。

でも昔から書いていた漢字や計算などは忘れてしまっているけれど、倒れる前に見ていたドラマや音楽の事を覚えていたりする。


話していると昔のように理路整然と話すときもあれば、私の質問に対して「???」と返すときも。私が話していて特に感じた事は、何に関しても具体的に話さなければならず、そうしなければ理解が出来ない。
『あれ』『これ』『そこ』などの代名詞を使って話しをしていると理解する事が難しいらしく「わからない」といわれる事が。
お互い伝えたい事が、なかなか伝えられず、イライラしてしまう事も。


何がわかる、わからない。
何が出来る、出来きない。


ひとつひとつ探して対処していがなければ。

リハビリ病院を退院

26日は主人の退院の日だった。

 

11時に病院に行くと約束していたのに少し遅れてしまう。

受付で手続きをしていると、主人を担当していてくれていた言語療法士の方が入り口で待っていてくれた。

2人で立ち話をしていると、主人と担当の看護師の方が台車に大量の荷物を持ってやってきた。

6ヶ月間ここでお世話になったんだと感じる荷物の数々。

看護師の方から薬や大事な書類などを受け取った後、今までの事などをみんなで話す。

主人も話しながら目には涙をためていた。

 

私の両親も病院に駆けつけてくれて挨拶をかわす。

 

昨年の11月この病院に来た時の主人はひとりで歩くことも出来ず、尿道にはカテーテルとオムツをつけていた。話していても会話がかみ合わず、主人の言いたい事がわからない事が多々あり、会話が脱線してしまう。私はこれからの事を考えると不安や焦り、怒りや悲しみなどを抱えていた。私がそう感じていたということは、当事者の主人はもっと感じていたと思う。

 

6ヶ月前にはここまで回復出来るとは想像していなかった主人の姿。

 

トイレもひとりで問題なく出来るし、杖がなくてもひとりで歩けるようになり、スマホもパソコンも何とか使えるようになったり、お金を使って買い物もできるようになった。時間はかかるけどだいぶ文字も読めたり書けるようになった。

 

本人の頑張りもあったが、色々な病院の方々に支えられたお蔭でここまで来れた。

 

「本当ありがとうございました」と思いながら病院を出発した。

近況

もう4月も下旬に。

気がついたら前回のブログ更新から1ヶ月が過ぎてしまった。

私の怠け癖が。

子供達には「毎日コツコツと勉強しなさい」と話しているが見本になっていないなと。

 

 

今のところ私達家族は元気です。

 

 

主人もリハビリのおかげで、出来ることが多くなって来た。

本人の言葉を借りていうと「今までは世の中がぼやけて見えていたけれど、今はピントがあってはっきり見えるようになってきた」と。

今までは物事がぼやーっとしていたので、なんとなく自分の状況や世間の事がわかっていたらしいし、わかった感じでいたらしい。

それが次第に段々と物事の本質が、ピントが合うように見えるようになりわかって来たので「ああみんなこういう事を言っていたんだ」と理解出来るようになったと。

 

世の中こと、自分自身のこと、家族のこと、仕事のこと…。

本人のなかではわかる事とわからない事が混在しているので、私と話している時にしきりに「怖い」と連呼する。

 

本人のスマホを病院に持ち込んでいるので、最近では電話をかけて来たり、写メをつけたLINEなどを送信してくるように。

当初送られてくる文面は???というような文面も多々あったが、最近はしっかりとした文面や写メ付きで送られてくる。

 

本来、主人は遅くても4月下旬には退院予定だったが、この状況を考えて退院を5月末まで延長してもらった。

本人も退院を4月下旬のつもりでリハビリをしてきたので、この状況で入院を延長しようと話した時にはかなりの動揺があり気分が落ち込んだ。

数日間毎日1時間以上電話。

本人もニュースなどをみて状況的に延長した方がいいのはわかっているけど、自分の気持ちが納得いかないと。

いま病院の外の状況、私の気持ち、家族の気持ちを何度も何度も伝えやっと納得してもらった。

 

 

その事を正式に伝える為に病院へ。

本人とは直接会えなかったが、メッセージカードをもらう。

3月29日は私達の結婚記念日だった。

言語療法士の方に話してカード用意してもらったらしい。私はすっかり忘れていた。

 

 

現時点での子供達のスケジュールは新型コロナの影響で、5月6日まで学校は休校延長に。

各々学校でも課題が出ているらしく、私が仕事から帰って来るとリビンングの机で2人で課題をこなしている。

 

モコも毎日相変わらず元気。

こんな状況なので今年は早めに動物病院に。

フィラリアの検査と予防薬、狂犬病の予防接種の為にいつものかかりつけ医に娘と一緒に。

病院近くになると「キュンキュン」と小さな声で鳴き出し、病院の入り口では足を踏ん張り入りたがらず。診察台では私にしがみついて離れない。

検査結果も異常がなく無事に終り、体調を壊さなければ次回は9月の予防接種だ。

 

私はいつも以上に自分の体調変化に気をつけて仕事に。

イチゴ収穫、収穫後は来シーズンの苗の準備。

毎日慌ただしく働いている。

家族会議

2月から慌ただしく3月。

このところ特に1日があっという間に過ぎていく。

 

主人の病院でも新型コロナウイルスの影響で、面会が家族限定から家族が短時間の滞在(洗濯物を取りに行くだけ)そしてついに家族も面会禁止に。

 

でもその間に3回目の外泊を行う事が出来、3回目の外泊時には主人は義妹と電車に乗る事が出来た。

主人の体調もすこぶる元気で、病院でも少しずつ少しずつ色々とチャレンジしているらしい。

ひとりで病院内の売店に行って買い物したり、パソコンで文字入力し会社の日報みたいな物を書いている。

 

私はここ1ヶ月位、主人の事以上に子供達の事が気になっていた。

息子の部活と勉強の両立、娘の勉強。

今までみたいに子供達に時間やお金を使ったり、気にかけてあげられていない。

 

私達はこれからどうしたいか、どうするべきかを話し合った。