イカはいかが闘病記

脳出血で倒れたオジサンの闘病記です

ひとつひとつ

気がつくと7月に。あっという間に時間が過ぎた。


6月、私の仕事先の苺ハウス内の温度計は40度を超えた日もあった。毎年この時期を経験してるとはいえ、今年は体力的にも精神的にも厳しかった。
私の仕事も先月で一旦終了し、次に仕事に行くのは8月下旬予定なので、休みの間は主人のリハビリにじっくり付き合える。


主人は身の回りの事は思った以上に自分で出来る。


昼間、私達が仕事や学校に行って家にいない間は、モコと留守番をしてくれていた。病院から出された課題(漢字の読み書きや計算問題)や筋トレなどをしていたみたいだ。

パソコンで調べ物や日報の様な日記も書いていた。マウスを操り、文字をタカタカとタッチタイピングで入力。『色んな事は忘れてしまってもここは覚えていたんだな』と。


ひとりで散歩に行き、近所で買い物をしてきていたのでびっくりした事もあった。

倒れる前は全く使っていなかったPayPayも今では使いこなしている。
部屋を片付けたり、食事の後片付けをしてくれたり、洗濯物をしまってくれたりと、私が行うより時間がかかるがきっちりしてくれる。

 


でも彼には確実に障害がある。
高次脳障害。
見た目だけでは判断されにくい。


全く知らない人から見ると、頭の傷も見えなくなるくらいに髪も生え揃えった。
パッと見た感じだと気がつかないが、歩くと「ちょっと違うな」と感じると思う。
左目の半分が見えていない半盲(見えない部分は黒くなり全く見えていないらしい)、右目は見えるけどボヤけていると。だからよく物にぶつかる。


記憶障害もあるので、覚えている事と覚えていない事がゴチャゴチャしている。昔の事は割と覚えいるが、比較的ここ2〜3年の出来事や関わった人の事を忘れている事が多い。

でも昔から書いていた漢字や計算などは忘れてしまっているけれど、倒れる前に見ていたドラマや音楽の事を覚えていたりする。


話していると昔のように理路整然と話すときもあれば、私の質問に対して「???」と返すときも。私が話していて特に感じた事は、何に関しても具体的に話さなければならず、そうしなければ理解が出来ない。
『あれ』『これ』『そこ』などの代名詞を使って話しをしていると理解する事が難しいらしく「わからない」といわれる事が。
お互い伝えたい事が、なかなか伝えられず、イライラしてしまう事も。


何がわかる、わからない。
何が出来る、出来きない。


ひとつひとつ探して対処していがなければ。