カリント工場(こうば)の煙突の上に
今日は土曜日。子供達は2人共に午前中は部活だった。
義父と義妹は15時から面会に行き、私と娘は18時過ぎに面会に。その間に息子はモコの散歩に行ってくれた。
私達が面会に行く前に義妹から「お兄ちゃんにのど自慢の時に歌った歌は?って聞いたら米米クラブの君がいるだけでを歌い出したよ」とLINEが来ていた。
面会に行くとちょうど看護師さんが主人に質問している最中だった。
「〇〇さんって言ってたけど〇〇さんは息子さんの名前?」と。
主人は息子の名前を自分の名前だと言っていた。
「パパ、〇〇は息子の名前だから16歳になっちゃうよ。若くなっちゃうね」とみんなで笑った。
看護師さんが他の患者さんのところに行った後、娘が「パパのど自慢で歌った曲歌える?」と聞くと米米クラブの「君がいるだけで」を歌い出した。
「違う曲でものど自慢で歌ったでしょ。覚えてる?」と聞くとわからなかったみたいだったので、私達が最初の部分を歌い出すとKANの「愛は勝つ」を歌い出す。
主人は普段から「俺は歌が上手い」と豪語していた。私が「じゃあNHKのど自慢が地元に来た時に出てあなたが歌が上手い事を証明してよ」と話すと「いいよ」と承諾していた。
私達が結婚10年目の時、実際にのど自慢が地元にやって来たので私がハガキを書いて応募。
予選会に参加出来た時に歌った曲が「君がいるだけで」。
歌いやすい曲を探してこの曲にした。カラオケや家でもよく歌いこんでいた。
実際にのど自慢の予選会に参加すると、主人よりも上手い人達ばかり。予選突破はできなかった。
「予選突破して本戦に出場したかったな。でもホールで歌えて気持ちよかった」と話していたので、次の年も私がハガキを書いて応募。
前年度の予選会で50音順で予選順になるとわかったので「あ」から始まる曲で選んだ曲が「愛は勝つ」。今回も予選突破出来なかった。
「残念だったね」と話すと「本戦に出れなくて残念だったけど、頑張っている姿を子供達に見せれたから悔いは無い」と話していた。
この2曲は私達家族にとって大事な曲になった。
今日は主人が好きだった歌手の曲の事を聞いてみる。
井上陽水、浜田省吾、玉置浩二、小田和正、岡村靖幸、ゴールデンボンバー。
主人が伝えたい事は全てはわからなかったけれど、一生懸命各歌手や曲について話していた。
でもゴールデンボンバーだけは「まったくわからない」と。
「昔から好きだった歌手の事は覚えているのか?」
その中で私が「パパ、倒れる前に玉置浩二のカリント工場(こうじょう)の煙突の話しを夜中にしたの覚えてる?」と聞くと「違う。カリント工場(こうば)の煙突の上にだ」と。
娘と私はびっくりした。長いタイトルを当たり前のようにスラスラと言い、その曲について話し始めた。
音楽って本当にすごい。
記憶に結びついているんだと実感した。