イカはいかが闘病記

脳出血で倒れたオジサンの闘病記です

1.4

1.4この数字を聞いてピンと来る人は主人と息子と同じ人間だ。

そうプロレス大好き人間。

この日は新日本プロレスの年に1度のお祭り。今年は1.4と1.5と初めて2日間行われると、息子がかなり前から熱く熱く語っていた。と、言っても息子は今の新日が好き。主人はプロレス全般が好きだった。

「お母さん俺は1.4と1.5はWORLDを見させてくれ」と。

我が家は新日本プロレスワールド、新日の試合をライブでみれたりオンデマンドでみることができるサービスに加入している。

「やる事をやったら好きなだけみてください」

 

息子の会話のほとんどは新日本プロレス、野球、日本史(特に第一次世界大戦から第二次世界大戦)『あなたは昭和のおじさん』かというくらい渋い。この3つの話をしたら口下手な息子でも話がとまらない。

プロレスや野球は、まだわたしも子供の時みていたのでわかるが、私と主人は日本史はさっぱり興味がなかった。日本史が好きなのは主人のお義父さんと同じだ。

 

私が仕事から帰ってくると、コーラとポテトチップを食べながら1.4 東京ドームでの試合をみていた。

amazonのFire TV Stickでテレビに接続しているので、テレビでみれる。テレビ画面をみながらひとりで熱く語っている。(モコはソファでうとうと)

娘は2階の自分の部屋にいた。

「お母さん、お父さんのところに行ってくるから」

息子は画面から目を離さず、娘は2階から大きな声で

「いってらっしゃい」と。

 

洗濯物を持って出発。お正月だから道も混んでいる。洗濯物の中にあったトレーナーが、まだちょっと湿っていた。病院近くのコインランドリーに寄って病院に。

病室に着くとパジャマに着替えていた主人が「あっ来たんだ。今日は来ないかと思った」と。

「仕事から帰って来て、家の事を片付けて、コインランドリーに寄ってから来たからね」

「そりゃ悪かったね。子供達は?」と。

「お兄さんは1.4みてるよ。わかる?」と聞くと

「もちろん。プロレス。東京ドーム」と。

「いまうるさいぐらいにテレビみてると思う。お嬢は2階いたから何していたかわからない」

「そうか」

主人宛てに追加で届いた年賀状をみながらふたりで話す。

「〇〇さんってどんな人?」と話すとどういう会社でどんな人だと話し出す。

主人はシステム開発の仕事をしていたので、会社には色んな会社の人達が大勢いる。

私が知っている人の名前を出すと「もちろんおぼえてる」と言って話し出す。

「じゃあ〇〇さんってどんな開発してたの?」と聞くと身振り手振り話そうとするが、言葉が出てこない。

「わかる。全部わかってる。そこにある。でも出てこない」

さびそうな顔をしていた。