一時帰宅
今日はスケジュールがいつにもましてギチギチだった。
主人は家庭調査の為、一時帰宅。
息子は、いつも通り学校と部活と20時まで学校で勉強して帰りは21時過ぎ。
娘は学校で大事なテスト。
私は自宅と主人の病院を2往復、私の実家に寄った後、娘のスマホの修理。
息子を送り出した後、娘を送り出す。
「出席番号と名前はしっかり書いて、わからなくても何か書きなよ。記号問題はとりあえず埋めて」
「わかってる。今更騒いだってテストできないよ」と言って家を出た。
10 時に病院に主人を迎えに行き、私が主人を連れて家に。理学療法士、作業療法士さん達が違う車で我が家に来る予定だった。
なのでギリギリまで掃除。
高速道路を走り病院へ。
9時50分に病院に着いた。
「今日は早かったね」と主人。
「何とか間に合わせたんだよ。もう色々と大変でさ…。まだ療法士さん達は来てないの?」
すると作業療法士さんが「じゃあ出発しましょう」と。
「今日は2人で我が家に来るのでは?」と言うと「体調を壊してしまい僕ひとりで訪問させて頂きます」と。
3人でエレベーターに乗り病院の外へ。
「緊張する。歩けるかな…」
主人は倒れてから外を歩いていない。この病院に来た時も車椅子だった。
「大丈夫ですよ」と言われ外を歩き出す。
一歩一歩慎重に歩く。
「すっかり季節が変わった…」
時間をかけて車までたどり着いた。
「じゃあ僕は奥様の後ろをついて行きます」
高速道路を使い自宅へ。
11時ちょっと前に到着。
「うわー生きて来れると思ってなかった」と。
主人もやっぱりそう感じていたんだ。
ゆっくりと階段をのぼり3人で自宅に入る。
するとゲージに入っているモコが大声で「ワンワン」と鳴きジャンプしている。
「モコちゃんちゃんこじゃないか」
主人はモコの事をなぜか『モコちゃんちゃんこさくらと』と呼んでいた。
「覚えてるんだ…」
モコをゲージから出すと歓迎のジャンプをした後、走り出す。
いつもの光景だ。
「では見させてもらいますね」
そう言うと作業療法士の方はあちらこちらで寸歩を測り、写真を撮り始める。
私はモコを捕まえてリードを付ける。
階段、玄関、入り口、リビング、キッチン、お風呂、トイレ…。
本当にお宅訪問だ。
1階が終わると2階に。
3人と1匹で2階に。
主人の部屋に入る。
「これ、これ…」
主人は釣竿を見て喜んでいる。
机の上には大量の荷物。床には主人の車の中にあった物などが置いてある。
そんななか写真を撮られるのは辛い。
次はベランダの写真。
油断していた。ベランダと窓掃除はしていなかった。まったくしていなかった。
「汚くてすみません」
「いえ、綺麗ですよ。皆さんそうお話しされますが、僕たちも仕事で色んなおうちに行きます。とても言葉で表せられないような所にも行きますからね…」と。
家の調査が終わると、こんどはバス停のチェック。
みんなで一緒に歩いていく。
「バスは走ってますが大体1時間に1本ぐらいで…」
家の近くにバス停はあるが私は1度も乗ったことがない。
「最寄駅までどのくらいかかりますか」
「駅まで徒歩20分くらいなので、この辺のひとは自転車か車ですね…」そんな話をしながらバス停で写真を撮り、自宅に戻る。
「疲れたな」と言いながら主人はソファに座る。
作業療法士の方が「せっかくの機会ですので質問などありますか?」と。
疑問に思っていた退院の時期、退院後のリハビリの進め方、障害のことなどを聞く。
質問するとしっかりとわかりやすく答えてくれる。
ほんと頼りになる。
しばらく話したあと主人が「今日はリハビリってないですよね」と聞くと「16時からありますよ」と。
「今日はないかと思った」と話すと「今日もバッチリありますからちゃんと帰って来て下さいね」と。
作業療法士の方が帰った後、急いでお昼ごはんの準備。ご飯とスープ、冷凍してあった伊達巻と栗きんとん、焼豚、昨日作った筑前煮といちごムースをだす「豪華だね」
「お正月のおせちを冷凍しておいたの。筑前煮といちごムースは昨日というか深夜作ったんだよ」
「いちごはママのところのいちご?」
『そうだよ。いつもみたいに買って来て作ったの…」そんな話をしながらお昼ごはんを食べた。
「リハビリは16時からだって言っていたけど、わたしもこの後に用事がらあるから15時ちょっと過ぎには病院に行きたいの。あと1時間弱しかないけど何をしたい?」と聞くと「お風呂に入りたい。病院だとゆっくり入れないから」と。
「お風呂入れる?」と聞くと「大丈夫出来る」と。
急いでお風呂の準備をする。
「外で待ってようか?」
「大丈夫」と言って扉を閉めた。
しばらくすると「ママ、ママいる?」と声が。
「いるよ。何?」
「どれを頭につければいいの?」と。
倒れる前から同じ物を使っているが、わからなかったらしい。
「こっちが頭で、こっちが体だよ」
「あっ間違えた」
ボディーソープで髪を洗ったらしい。
「もう一度洗ったほうがいいよ。頭にカピカピになっちゃうから」
笑いながらバスルームを出た。
お風呂に入った後、持って行くCDをピックアップ。
「時間がないから急いで」
「もっとゆっくりしたかったな」
「また今度あるよ」
急いで荷物を持ち、主人を病院に送り届け、実家に。
16時を過ぎていた。
私が昨日作った筑前煮といちごムースを持って
「手ぶらだと悪いと思ってお裾分け持って来たよ。お母さん悪いけど、私、週末は子供達の用事で病院に行けないから洗濯お願いしていい」と。
お母さんは仕事休みだし、あんたいつも慌ただしいからいいよ。子供達の事をみてあげな」と。
助かる。
実家には20分くらい滞在し、今度は娘のスマホの修理にショッピンモールに。
時間を少しオーバーして修理屋さんに着く。
iPhoneのバッテリー交換を待っている間、KALDIで買い物。店内を見てるだけでもワクワクする。棚のあちらこちらに国内外の調味料やお菓子やコーヒーなどなどが陳列されている。ひとりでないと落ち着いて見れない。
カゴの中には、調味料やジャムや瓶入りのジュース。調子付いて買ってしまった。重い。
その荷物を持ちながら修理屋さんに。これで娘にバッテリーの事で文句を言われないだろう。
今日も盛りだくさんの1日だったと、周りのブレーキランプの赤い光を見ながら考えていた。