イカはいかが闘病記

脳出血で倒れたオジサンの闘病記です

時間ギリギリはやっぱりダメ

今日は私の仕事が休み。でも10 時から病院で面談が。

しかも夜にはクリスマスをやると。

慌しい。

 

朝起きると娘が開口一番「サンタさんからプレゼントがない」と言い出した。

「あなたのサンタさんはイオンモールに来てBTSグッズを買ってたじゃん」と私が話すと「まだまだ欲しいです。サンタさん現金を下さい」と。「あと1週間待てばお年玉でウハウハだからいいじゃん」

娘はちゃっかりしてある。

息子が起きてきたので欲しいものを聞くと、竹刀が2本と竹刀を入れる袋が欲しいと。息子は実用的なものを頼む。

「じゃあお兄さん今日は学校に迎えに行くからその帰りに防具店に行こう」と約束し、息子を駅に、娘は学校まで送る。

 

2人を送り届けて家に帰って来てから、スポンジケーキを焼く。

バタバタとしていたので予定していた出発時間を過ぎてしまった。

「まあちょっと急げば大丈夫」

そんな気持ちで出発した。

主人の病院は高速道路の近くにある。

私はいつもと同じ様に高速道路にのゲートをくぐった。

でも今日は違った。左側で停車していた白バイが私の目前を走り出した。

いま高速道路は工事をしているので、制限速度は80キロだ。

制限速度ギリギリの80キロで左車線を白バイが走っている。他の車も白バイが怖い為、距離を置き70キロ位で走る。

左車線が渋滞に。

「もう絶対に間に合わない…」

白バイとはずっとランデブー走行。

病院に遅れて到着し、着替えや頼まれていたCDなどの大量な荷物を持っていたのでまずは病室へ。

病室では主人が待ち構えていた。

「あなた待ちだよ」と。

「ごめんなさい。白バイと一緒だったから急いでこれなかった」

 

みんなが待ち構えているところに謝りながら着席。

先生と主人と私、後ろには看護師、言語療法士で話し合いがスタートした。

先生からは改めて画像を見ながら現状を説明して頂く。

「ご主人は覚えていないだろうけど、倒れた時かなり厳しかったね。脳の腫れがかなり酷くて頭蓋骨を外して脳圧を下げたんだね…この状態だと奥さん先生からかなり厳しいと言われたでしょ」と。

確かに8月30日の夜ひとりで説明を受けた時も、夜中の緊急手術が終わり義父、義妹、私の3人で説明を受けた時もかなり厳しい話しをされた。あの時、誰もが『主人の死』について覚悟していたと思う。

「でも手術も上手くいってリハビリ頑張っているから身体の状態は回復してきてる。退院時にはいま使っている杖と右足に付けている補助器具はなしで大丈夫」と。

「でも本人が希望している自動車の運転は出来ないし、目に関してはリハビリしても機能は回復出来ない」と。

脳の損傷箇所が記憶と目の機能で、目は脳の構造的に無理だと説明が。

「視力が悪いからですか?」と聞くと

「視力の問題ではないんだよ。例えばこのボールペン。目はスクリーンになっていてまずはそこにボールペンの姿を映し出す。そこに映し出された情報を、ご主人が損傷した脳の部分が『ものが映されたこれはたんだろう』と記憶の中から探し出して

ボールペンって判断するんだけど、ご主人の場合そのスクリーンに鮮明にボールペンの情報を映し出せない。記憶の部分も機能が低下しているし、少ない情報、記憶から『これは何だ?』ってなる」

目から入ってくる情報が少ないと。

目は半盲だろうと。

これはリハビリしても回復出来ないので、その障害と上手く付き合っていかなければならないと。

「正直運転の動作は身体が覚えているから車を動かす事は出来るよ。でもすぐに物にぶつかるよ」と。

主人は納得していなかったみたいだか、私は納得した。

この病院を選んだ理由の一つが自動車の運転再開についてサポートしてくれるという点だった。

もしリハビリして機能が回復し、自動車を運転できればいいなと思ったからだ。

 

でもそれはできない。

 

あきらめは肝心。

 

「私は主人があの状況からいまここに座っているだけでも奇跡だと思っています。だから運転は諦めます」と。

 

「ご本人の希望は会社復帰。正直リハビリにはゴールがない。どこをゴールにするかだよね。病院としては自宅療養し、準備を整えてから会社に復帰できればいいかと考えてるけど、これは病院と会社と本人、家族で話し合わないと」と。

先生を交えた面談はこんな感じだった。

 

その後看護師、言語療法士ソーシャルワーカーの方々と面談。

いまの病院での主人の状況を聞く。

先程の先生の話を受けて仕事、休日の過ごし方、趣味などについて詳細に話す。

年末年始のことについて話す。

「年末年始自宅に帰ることが出来ますがどうしますか?」と。

これは前に主人と話していて主人が「あなた仕事でしょ。手間がかかるから病院でいいよ」と話していたので

「年末年始、私は仕事なので病院でお願いします」と。

あと家庭調査の話を。

主人が自宅に帰る前に、病院側が見学に来て自宅の危ない箇所を指摘してくれるというもの。

 

1月9日に決まった。

 

家を片付けてなければ。

特に主人の部屋。主人の荷物を詰め込んでいる。

 

「あと先生の話にも出ていましたが、本人も会社復帰の希望があるので、病院側でも会社側の方とお話しさせて頂きたいと思います。奥様連絡していただけますか?」と。

「主人の上司の方に連絡してみます」と。

 

面談はお昼までかかり、主人はランチを食べに行き私は荷物の整理を。

ランチから戻った後は最近の出来事やこれからの事を話した。

息子の迎えがあるので14時過ぎに病院を出てスマホをみると息子からLINEが。着信もあったが気がつかなかった。

「今日は頭が痛いので部活を休みます」と。

 

息子も頭痛持ちだ。

 

急いで迎えに行く。

クリスマスプレゼントの竹刀はまたに。

家に戻りモコの散歩、ケーキの続き、フライドチキンを揚げ、ご飯の準備…。

 

夜はシャンメリーで3人で乾杯してからご飯を食べた。

 

なんだか疲れた。

 

私にもサンタが来て欲しい。