イカはいかが闘病記

脳出血で倒れたオジサンの闘病記です

狸寝入りなのか

スマホをチェックすると姉からのLINEが。

朝方に電気が来てエアコンをかけて涼んでいると。

まずはひと安心。

 

 

最近娘は主人のベットで寝ている。

それがいいのか悪いのか…。

 

今日の娘はベットから起きて来られなかった。

話しを聞くと、夢に主人が出てきて嬉しかったけれど、その後辛くなってしまったと。

夢の中の主人は足を引きずってはいるが、元気で娘の剣道の送迎をしてくれていた。足が不自由だったけれど工夫して車に乗って運転していていたので「パパやっと戻ってきてくれたんだ」と思っていたら夢から覚め、そこには主人はいなかったと。

 

 

なんでいないんだろうと。

 

 

そこから情緒不安定になり、学校に行くのが辛いというので休ませた。

しばらく主人のベットで寝るのはやめて、私と一緒に寝ようと提案。

 

私の夢には主人は出てこない。

元気だった時、冗談で「お互い夢に出るのはやめよう。夢にまで出てくるなんて怖いじゃん」と話していた。主人がいま私の前に現れたならなんと言うのだろう。

 

 

お昼に生命保険の方が来て、生命保険の代理人請求を行う。

私の名前でサインを。

まだ主人の意識が戻っていないからだ。

命の重さ、健康の有り難みを噛み締める。

 

 

私達家族が楽しく生活を送れるようにと、責任の重みやプレッシャーを主人は今までひとり受け止めていてくれたのだろう。

生命保険や住宅ローンの契約時、大型家電購入時や車の購入時など、私は人生の節目に彼の横には座っていたが、この責任の重みを感じた事がなかった。ただ横に座っているだけだった。

 

 

今度は私がその責任を負わなければならない。

 

 

娘と私は車で、息子ははじめて自転車で病院に来た。学校から自転車で5分位だったと。意外と近かった。

「パパ面会にきたよ」と娘が声をかけると目を開け、見回した後また目を閉じていびきをかいて寝てしまう。

娘が「パパ起きて」と声をかけたり体をさすっても起きない。

近くにいた看護師さんが「お父さんさっきまで起きていたんだよ。他の患者さんもそうだけど、家族の人が来ると寝ちゃうんだよね。起きてないと私が嘘言ってるみたいだね」と。

「じゃあきっとお父さん私達に恥ずかしくて狸寝入りしてるんだよ。あなた達の悪いテストの点数を聞きたくないんじゃない」と私が話すとみんなで大笑いした。

「また明日来るね。帰るよ」と声をかけると、目を開け見回したあとまたいびきをかいて寝てしまう。

 

 

 

聞こえていて欲しいし、理解していて欲しい。

 

 

 

自転車を車に乗せ、息子が留めている駅の駐輪場に運ぶ。

街の灯りが綺麗だった。