イカはいかが闘病記

脳出血で倒れたオジサンの闘病記です

定時退社日

今日は水曜日。

 

息子を学校へ送って行く時、空に虹がみえた。

オズの魔法使いの「Over the Rainbow」が浮かぶ。

 

虹の彼方に夢がかなう国があるのかな。

あるのなら、主人が倒れる前の日々に戻りたいなと思いながら車を運転した。

 

 

息子を送り届け家に着くと、娘も学校の支度を終えていた。今度は娘を学校へ送って行く。

 

自分も仕事へ。

 

 

主人の会社付近に。

いつもより車が多い気がする。

「今日は水曜日で定時退社日だから車が多いね」と。

主人の会社は水曜日が定時退社日。

水曜日はいつもより早く帰って来ていた。

 

 

主人もその中のひとりだったんだ。

 

 

娘と面会に行くと看護師さんが「リハビリ後だから反応がいいかも」と。

私達が行くと目を開いていた。

娘が「パパわかる?」と聞いてみても反応がない。しばらくすると寝てしまう。

私達が1日の出来事を話していると、時折痛そうな顔をしたり、咳をする。

「パパ寝てるだけじゃないね」と。

「帰るよ」と言うと目を開ける。

「また明日面会に来るからね」と声をかけて帰ってきた。

 

義妹からLINEが。

義妹が面会した時には涙を流していたので「泣くな」って叱ってきたと。

だんだん周りの状況を理解してきたのかもと。

 

主人はよく義妹の話をしていて「あいつはしっかりしてる」と褒めていた。

 

義妹も私も主人の4つ下の44歳。

 

そしていつも「あいつがしっかりしたのは俺のおかげだな。小さい時から面倒をみてやって小学生の時なんかいつも遊んでやってたんだ」と。

毎回「あなた自分の思い出を美化し過ぎ。何十年前の話しをしてるの」と笑いながら話していた。

 

痛くて泣いているかもしれないし、状況を理解して泣いているかもしれないし、反射的に泣いているかもしれない。

 

それは主人にしかわからない。

 

でも反応がないよりずっといい。

 

「とにかく生きろ。生きてみんなに自分の気持ちを伝えろ」と言いたい。